理事長所信


~深めよう縁・繋げよう未来へ~

 

一般社団法人 瀬戸青年会議所

第70代理事長 井上 陽太

 

■【はじめに】

「JCで出会えた仲間は一生付き合えるよ」と青年会議所との出会いは、私を入会へ導いてくださった先輩からのからの熱い言葉から始まりました。新しい出会いや私にとって刺激になるのならば、そして生まれ育てていただいたこの瀬戸のまちへの恩返しの想いと、人生をかけて新たな事に挑戦しようと決意し、昨年の7月に瀬戸青年会議所の門を叩きました。入会間もない頃の私は、新しい環境に慣れるのに必死でしたが、少しずつ関わりを深めていくにつれて、青年会議所という団体には同じ志をもつ多くの人たちがいることに気づき、私の中でいつしか、その関係は「知人」から「仲間」へと変化していきました。その変化は、同じ目標に向かう活動の中や、苦境に立たされ、それを乗り越える道行の中でしか育まれない物だと感じます。⾧い歴史の中で、先輩諸兄姉の絆が深まり本当の仲間となったように、本年度も青年会議所の活動を通じ、この素晴らしい仲間と苦楽を共にし、更に絆を深め「生涯の仲間」となりたいと強い希望を抱きました。近年の様々な環境問題、特に気候変動の影響を受け災害が多発し、人々や社会に多大なる影響を与えています。中でも『絆』という言葉は2011年の東日本大震災後に耳にするようになりました。未曾有の災害は我々の想像を絶する被害を生みだしました。私は、その際に全国各地の青年会議所の方がいち早く駆け付け、復旧と復興のための支援に尽力する姿、必死に手を取り合い、励ましながら協働する姿を見て、皆の思いがひとつになるとこんなにも迅速で力強い行動力になることに感嘆を覚え、それがとても大切で明るい豊かな社会の実現に必要だと感じました。だからこそ、私たち青年会議所も皆の思いをひとつにして、真剣に活動することで苦楽が生まれ、励まし合い共に乗り越えることで、互いの絆を深め合い、迅速で力強い行動力へと繋がっていくことを確信しています。

■【70 周年という節目に】
本年70周年を向かえる瀬戸青年会議所、この年数はこれまでの歴代の先輩方々をはじめとする諸兄姉の深く結ばれた大切な想いのある絆です。
瀬戸青年会議所は個人の修練と社会の向上と発展を目的に昭和29年名古屋青年会議所がスポンサーとなり、青年40名により、全国で第日本で61番目に青年会議所として誕生しました。これまでの70という歴史は、先を歩いた先輩諸兄姉や青年会議所運動に関わってこられた方々が努力を惜しまず、培ってきていただいた証です。誰よりも先に動き出し、家族を守りながら前向きに挑戦し続けてこられたから、今の瀬戸青年会議所があるのです。我々はこの⾧く素晴らしい歴史に敬意を払うと共に感謝の意を表します。
この近年、新型コロナウイルス感染症で、当たり前が当たり前ではなかったこの中、臨機応変に対応し、努力を惜しまず挑戦し続けてまいりました。青年会議所活動はボランティア活動ではありませんしボランティア団体でもありません。しかし青年会議所にしか出来ない、歴史と信頼そして、行政機関との繋がりを大切にし、未来に向けて新しい価値を提案し30年後の100周年の未来を見据えて、全力で活動してまいります。

■【人とまちとの深い絆】
私はこのまち瀬戸市を心より愛しております。私たちが生活するこの瀬戸市は豊かな自然や、せともののまちとしての歴史と魅力で溢れています。しかしながら、この地域に住み暮らす人々がその歴史と魅力を知る機会が十分とは言えません。地域が発展していくためには、この地域に住み暮らす人々が地域の魅力を知り、この地域を誇れるようになることです。だからこそ、私たちが地域の魅力を更に伝えていかなければなりません。まずは、地域の魅力や歴史を知り、課題を明確にすることが必要です。そこで、地域の人々と共に歩むという観点でまちづくりを実践し、多様な価値観でまちの魅力を地域に浸透させ、今後の未来に続く事業を展開することで青年会議所と地域の人々との絆が生まれ、誰もが輝ける持続可能なまちの実現に取り組んでまいります。
また青少年が健全に育つためには、『絆』を大切にする環境が重要であると考えます。私たちが未来ある子供たちにできることは、子供たちが時代の変化を生き抜くには何が大切なのかを考え、体験する機会を作ることです。普段できない経験をすることで、子供たちが助け合い、ひとつのことを成し遂げることで、思いやりや感謝する気持ちが養われ、その力が未来へと繋がると考えます。この地域の様々な既存の仕組みやあり方を活かしながら、新たなものを生み出し、子供たちが笑顔溢れる機会を提供してまいります。
私たちは誰もが自分の意思で青年会議所へ入会をし、何かを変えたいという希望をもっているはずです。しかし、希望を持ち入会したはずが、なぜか青年会議所にうまく関わることができず、悩むメンバーもいるのではないでしょうか。まずは、メンバーひとりひとりが青年会議所の意義や魅力を知ることが大切です。そして過程で皆の思いがひとつになれば、縁が更に深まることにより強固な『絆』となり会員拡大ができると私は信じています。
青年会議所は単年度制で、40歳までという年齢制限を設け、常に会員が入れ替わっていく世界組織であり、多種多様な多くの青年経済人が関わる団体です。青年会議所運動を展開していく中で、何よりも大事なものは様々な機会で繋がる「人」だと感じました。しかしながら、青年会議所に入会するだけでは何も生まれず何も変わりません。積極的に活動に参加することでメンバーと関わる時間の中で絆が生まれます。そして、多くの人と様々な形でコミュニケーションをとることが必要です。青年会議所には素晴らしい仲間がいること、また素晴らしき伝統や歴史を継承し、新入会員をはじめとするメンバーに伝播していかなければなりません。仲間との出会いや絆を大切に、メンバーひとりひとりが主体者意識をもって活動すること、また個人のもつ可能性を最大限に引き出し、お互いが切磋琢磨し、仲間との絆を更に深め、本当の仲間となれるよう邁進してまいります。
また、私が考える理想のリーダーとは、人と人の繋がりを大切にし、絆を強めることができる人だと考えます。なぜならば、そこで強く結びついた絆は、大きな困難な時も一致団結して乗り越える力になり、それが円滑な組織を作り出し、発展の機会を得ることができます。
しかし、多様な価値観や考え方がある現代で先頭に立ち導くことが求められるリーダーは、日々の成⾧やお互いの尊重がなければ、人が遠ざかることに繋がってしまうのかもしれません。いつの時代も自己を見つめ、成⾧し続けることができるリーダーが人々を牽引してきました。明るい豊かな社会の実現を目指すため、日々の自己研鑽に励み、『絆』を大切にできる輝かしいリーダーの育成に努めてまいります。

■【結びに】
絆という字は「糸」という字が使われています。一人を「糸」と例えるならば、一本の糸では成し遂げられない様な、糸を紡ぎ合わせた太い手綱で結ばれた固い『絆』こそが青年会議所の組織でありたいと私は考えます。だからこそ、先輩方から繋いでいただいた手綱を2024年度もこの勢いは止めず、我々は互いに尊重し、皆の思いをひとつにし、断固たる『絆』を更に深め一致団結していくことです。
全ては明るい豊かな社会を創るために、かけがえのないこの時間を活かしながら、悔いが残らないよう本気で運動・活動し、メンバーとそして縁あるすべての人と固い『絆』で結ばれることを目指しながら未来へ繋いでいきましょう。

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