理事長所信

New Beginning / 今始まりのとき

 

一般社団法人 瀬戸青年会議所

第68代理事長 鈴木康浩

 

新型コロナウイルスは、私たちの世界を、生活そのものを予想以上に長く縛るものとなり、人との接触が制限され、会いたい人にも思うように会えない日々が続いています。今回のコロナ禍において、物事を見つめ直す時間ができたことで改めて問われたのが、多様な価値観をどう調和させていくのかということではないでしょうか。こうした流れの中で私たち青年会議所においても、変化に対する適応行動が既に求められつつあります。

 

瀬戸青年会議所は過去67年間、常に時代の変化に敏感に反応し、その運動は常に新しい時代の創造に大きく寄与してきました。高度成長期にあっては健全で安定した社会を、安定成長期には地域活性化の方向性を提唱し実践してきました。

そして今、このような時代の大転換期にあっては、より大きな視点で世界を見つめながら、どのように成長をしていくのか。そのことを問われているように感じます。

 

そこで本年は、「継承と変化」を大きな目標に掲げ、メンバー個々において瀬戸青年会議所の活動や運営のあり方を多方面から見つめ直すと共に、積極的に事業に参画し、業務を履行する中から次の時代に向けての道筋を切り開いていく事の出来るメンバーとして、大きく成長する年にしたいと思います。新たなスタートに向け、一年間次の4つの基本的な考えに基づき、事業を推し進めていきたいと考えております。

 

第一に、「同一の問題意識(危機感)」。過去10年、瀬戸青年会議所は毎年メンバーの減少に歯止めをかけることが出来ていません。私たちはこの現実に目を背けることなく、きちんと受け止めなければなりません。瀬戸青年会議所を存続させ、発展させていくためには、社会構造を含めた外部環境の変化に的確に適応し続ける状態を創り、その状態を維持していくことが、組織を形成していく上での最大の眼目とならなければならないと考えます。メンバーが100余名の時代から続く真の課題、本当の狙い、隠れた本質を見極め、現状を正しく認識し、起こりつつある環境の変化に対して、きちんと私たちが適切に対応できているかどうかを客観的に注意深く考察し、そこからもたらされる危機感を常に組織に充満させておくことが必要です。変えていくものと残すものを見分ける“英知”、変えるべきものを変える“勇気”、変えてはならないものを受けいる“冷静さ”。過去に敬愛の情を込め、小回りを利かせた運営を実現させていきましょう。

 

第二には、「共通の価値観」。例え同一の問題意識が醸成され、より一層の改善努力をする意識が生まれても、その意識を一つの方向に集約していかなければ、大きな力を発揮させることはできません。この共通の価値観こそ私たちが唱和するミッションでありヴィジョンです。今一度この本質的な意味に立ち返り、同じ方向に向かって一致団結することが、共に行動しようとする気持ちを生み出す源泉となると考えます。

 

第三として、「自信と信頼」。共通の価値観が醸成され、向かうべき方向がはっきりとすれば、次はその方向に向かって積極的にチャレンジしていく行動が求められます。しかし「自信」がなければ、失敗しないだろうかという考えが先に立ってしまい、困難に立ち向かっていこうという姿勢が生まれません。そして組織の中において、一人の人間だけで出来ることはごく一部に限られており、ほとんどの事は、複数の人が関与しなければ成り立ちません。そうした場合、ある部分に関しては、他の人を信じて任せ、自分は他の人の信頼を裏切らないように全力で頑張るという相互の「信頼」がなければ積極的なチャレンジングな行動は引き出されにくいと考えます。

 

そして最後に「感謝の気持ち」。自信と信頼という感情は、放っておけば過信や増長、あるいは馴れ合いになるでしょう。私たちが現在の状態でやっていけるのは、他者から受けた力添えの結果であり、心から有り難く思う感謝の心を常に心に留めておかなければなりません。しかしながら感謝の気持ちだけにとどまらず、より高い観点に上り詰めた時、感謝の気持ちが「使命感」となり、地域社会への貢献意欲や献身的な行動を生み出し、さらなる高いレベルへの革新に向けた原動力になると考えます。

 

テクノロジーの進化に伴い、これまでのように知識を積み上げていくことは、個人の強みにはなりません。大切なのは知識と経験をどう組み合わせてどう使うのか。いわゆる「実行力」こそが時代を生き抜く強い武器になるはずです。

“今すぐやる”、“必ずやる”、“出来るまでやる”という情熱をもった実行力こそが、これからの時代に求められるリーダーの資質だと考えます。これからの地域のリーダーとしての自覚と責任感のもと新しい道を開拓するにふさわしい青年経済人らしく、共に悩み、共に議論し合い、そして共に行動しようではありませんか。

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