2020年度 理事長所信

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明日を切り拓け ~Breakthroughへの挑戦~

瀬戸のまちを想い、「修練」「奉仕」「友情」の三信条のもと、英知と勇気と情熱を結集して力強い運動を発信されてこられた先輩諸兄の尊い挑戦により、瀬戸青年会議所は本年で66年目を迎えます。時代の変遷とともに我々を取り巻く社会の環境が大きく変化しても、常に明るい豊かな社会の実現のため、その時々に「何をしなければならないか」を真剣に議論し、運動を発信し続けた65年間の挑戦があったからこそ、今も我々は活動させていただくことができているのです。

2020年度、これまでの尊い挑戦の歴史により築かれた道を歩む機会をいただいた我々もまた、その先に立ちはだかる様々な難問や課題という「壁」を乗り越えて、新たな道を切り拓いていかなければなりません。乗り越えるべき「壁」への挑戦は、平坦な道のりではないからこそ、その先には誇るべき明日を見渡すことができるはずです。

我々が愛すべき瀬戸のまちに寄与するために、今、乗り越えるべき「壁」を明確に見定めて運動を展開していく先には、必ずや飛躍~Breakthrough~が訪れると確信しています。

明日を切り拓くためのBreakthroughを目指して、共に挑戦にしてまいりましょう。

 

□メンバーの成長

青年会議所で一番重要なことは、メンバーが成長することであると私は考えています。我々は青年会議所メンバーである前に一人の青年経済人です。社会的に大きな責任を負いつつある時期に、それぞれの限られた時間を青年会議所活動に使うことは容易ではありません。青年会議所に入会・活動する動機はメンバーそれぞれにありますが、会社などの所属組織や家庭という周囲の理解や協力を得ながら、限られた時間を使って青年会議所活動を行えていることは紛れもない事実です。その理解や協力に報いるためには、青年会議所活動を通じて得た経験を糧にして、一人の責任ある青年経済人として大きく成長していく責務があるはずです。

私が青年会議所で最も素晴らしいと感じていることは、手法そのものではなく「考え方」を学ぶ機会がある、ということです。昨今の技術的な進歩のスピードを勘案すれば、その時々に最適であると考えた手法も、数年経てば陳腐化してしまう恐れがあります。しかしながら、乗り越えるべき課題を明確にし、その課題を解決に導くためには何をするべきか、そして切り拓かれる先に待ち受けている未来像までを見据える「考え方」は、いつの時代も変わらない説得力を与えてくれ、我々の成長を大きく後押ししてくれます。

また、誰しも己一人で行えることには限りがあります。だからこそ、会社や家庭、地域におけるどのような状況においても多くの人を巻き込むことのできる力を向上させることは、一人の青年経済人として乗り越えるべき「壁」であり、その先には必ずやメンバーの成長が待っています。

メンバーの成長のためには、瀬戸青年会議所のみでこれを行うことに固執する理由はありません。日本青年会議所が体系的に構築している人材育成プログラムや、各種会議体への参加、出向などを積極的に活用することで、より重層的な成長をもたらし、メンバーの飛躍的な成長~Breakthrough~につなげてまいります。

 

□「災害に強いまち」

我々が愛すべき瀬戸は、豊かな自然と1000年以上続くやきものを中心とした伝統文化がある、まさに自然の恩恵と人々の営みが融合した歴史あるまちです。やきものの原材料となる土や燃料となる木材など、まさに自然の恩恵を最大限に活用することで発展してきました。しかし、自然は常に恩恵ばかりを与えてくれるわけではなく、時として災害という形で私たちを脅かします。自然の恩恵を享受してきた瀬戸においてこそ、明るい豊かな社会の実現を目指す中で一番の基礎となる安心や安全を確保する、防災・減災への取り組みは非常に大きな意味があります。

瀬戸は近年、幸いにも「災害が少ないまち」でありました。しかしながら、近年の巨大地震や風水害などは、科学的に予想されていた時期や場所、規模などを覆して発生し、甚大な被害が生じています。だからこそ、「災害が少ないまち」に留まるのではなく、「災害に強いまち」となることには、これから先の「新たなまちの魅力」が秘められていると考えます。

災害時に被害を無くすことは現実的なことではありません。しかし、近年の事例をしっかりと把握・考察することで、乗り越えるべき「壁」を明確にし、そのための取り組みを行政と市民とが一体となって行うことができれば、瀬戸を真の意味で「災害に強いまち」にすることができるのではないでしょうか。

65年間に渡りまちを想い活動を続けてきた瀬戸青年会議所だからこそ、それぞれが本業を持ち多方面に強みを持つ青年経済人の団体である瀬戸青年会議所だからこそ、来るべき未来のために、行政と市民を更に一体化するためのパイプ役を担い、大胆な発想を持って真の意味で「災害に強いまち」に向けて挑戦してまいりましょう。

 

□信じあえる仲間

私は「若い我等」にある「JCの仲間は皆信じあう」という一節が大好きです。青年会議所活動を通じての出会いは、信じあえる仲間という、まさに人生の宝物を与えてくれます。我々はお互いに、共通の目的に向かって共に切磋琢磨し、協力し合い、時には涙をこらえ、必死に挑戦する姿を認め合うからこそ、そこに友情が芽生え、信じあえる仲間となることができるのはないでしょうか。

信じあえる仲間の数が増えるほど、結集すべき英知と勇気と情熱も大きくなり、明るい豊かな社会の実現に向けた歩みも大きくすることができます。だから会員拡大が必要なのです。会員拡大における乗り越えるべき「壁」は非常に高いです。会員拡大においてBreakthroughを起こすためには、まずは、我々の活動内容に自信と誇りを持ち、力強く発信することで、未だ見ぬ新たな仲間となり得る方々に知っていただく機会を増やすことが重要です。その上で、アンテナを張り巡らせ、情報を共有してまちへ出れば、必ずや信じあえる仲間との新たな出会いにたどり着けるはずです。

また、信じあえる仲間と出会うためには、瀬戸青年会議所の外に視野を広げることも重要です。活動する地域は違えども、信じあえる仲間たちが大きな挑戦に向き合う姿を目の当たりにすれば、我々もまた奮い立つことができます。一人でも多くの信じあえる仲間と出会うために、我々は「何をしなければならないか」を真剣に考えて行動してまいりましょう。

 

□最後に ~明日を切り拓く~

瀬戸青年会議所の会員数が減少傾向にある中で、このままでは青年会議所活動が「修練」「奉仕」「友情」の三信条から離れ、組織の維持だけに傾きかねない危機感を抱いています。瀬戸のまちの未来を想い、明るい豊かな社会の実現のために活動する唯一無二の存在である瀬戸青年会議所は、その本質を変えることなく、この先も絶対に続いていかなければいけません。

そのためには、会員拡大と共に、今こそ変革への取り組みが不可欠です。定款や諸規程、理事会、例会、事業、委員会運営に至るまで抜本的な見直しに着手いたします。現状をしっかりと認識した上で、我々の後を託す後輩のために、本質は守りながらも組織を変革することに勇気をもって挑戦してまいります。

 

我々が「壁」を乗り越えるためには、その「壁」を生み出している本質的な原因や問題を追究し、青年らしい大胆な発想に基づいた行動こそが重要です。

自分のために、まちのために、仲間のために、後輩のために。

Breakthroughへの挑戦により、明日を切り拓いてまいりましょう。