自らが起点となれ
一般社団法人 瀬戸青年会議所
第67代理事長 鈴木克典
■はじめに
昨年は日本のみならず、世界中にて新型コロナウイルス感染の脅威にさらされ、我々の生活は大きな変化を余儀なくされました。緊急事態宣言が発令され、経済活動を自粛しなければならない状態にまでなり、生活面や精神面での不安な状態が続きました。しかし、予測のできない感染症のパンデミックや自然災害が起きたとしても、それを乗り越えるべく我々は青年会議所の一員として新たな一歩を踏み出さなければなりません。1954年6月12日、時代は戦後、様々な苦難を経験した日本では高度経済成長期という変革期の中、熱き志を持った40名の青年達により瀬戸青年会議所は産声をあげました。このまちが向かうべき未来を思案し、多くの時間と体を費やし今やらなければならない運動を発信してきたことでしょう。その次代を見据えた運動の連鎖が様々な感動、刺激、体験を多くの人に与え、いくつもの時代を創ってきたのではありませんか。そして、今を生きる我々は先人が創った舞台に甘んじることなく、我々を取り巻く環境が変わったとしても、姿を変え、形を変え、時代に合わせた運動を構築し「明るい豊かな社会」の実現に向けて運動を発信していくことが使命であります。その発信の効果を最大限に高めるためには、魅力的な団体になることも必要です。そこで、まず必要なことはJAYCEEとしての自信を持つことだと考えます。自分に対してまた我々が行う運動に対して自信を持たなければ、どんなに素晴らしいことを行っても人々やまちを動かすことはできないと考えます。そして、自信を持った人間の行動は魅力的であり他者の心をも動かすことができるはずです。さらには、我々の運動に賛同し共に行動を起こす人材が現れ、「明るい豊かな社会」の実現に向けての好循環が生まれるはずです。
■自信あふれる人間へ
在籍年数が長くなれば、自分にとっての青年会議所が見えてくると思います。主観的になってしまいますが、青年会議所の魅力というものを話すことができると思います。例えば、新入会員候補者へアプローチする場合、主観的な魅力は伝えられるが、客観的な魅力を伝えきれていないように感じます。また、入会歴が浅ければ、青年会議所の魅力を鮮明に自分の頭の中に描き言葉にして周りの方にしっかりと伝えきれていないと感じます。いまメンバーが減少傾向であるからこそ、今一度原点に立ち返り青年会議所のいろはを学び、共通の認識を得た上で誰もが自信を持って青年会議所活動に取り組んでいかなければならないと考えます。この自信こそが自分の強みとなり武器となり、一人ひとり集合体となった瀬戸青年会議所こそが内からはもちろん、外からも魅力ある団体に映るはずです。自信あふれる人間となることで瀬戸青年会議所に磨きがかかり、その行動が周りを突き動かす力となることで自分に更なる自信が生まれます。そんな自分と瀬戸青年会議所の好循環を生み出せば、我々の活動全体にも好循環が生まれるはずです。せっかく入会したのだから自信あふれる人間へとなり、自ら一歩を踏み出して参りましょう。
■わくわくするまち
瀬戸と聞いて何を思い浮かべるか問われたら、瀬戸市に住んでいる方なら「やきもの」が一番に頭に浮かぶのではないかと思います。まちを歩けば陶器のお店があり、車を走らせれば工房の看板が目に付きます。そして、みんなが大好きな瀬戸市最大のお祭りであるせともの祭が毎年行われております。まちに足を運べば「やきもの」を感じられるまちであり、1000年以上の窯業の歴史と文化は多くの人の生活に寄り添うものであり生きる糧であると思います。しかしながら、人々の生活スタイルの変化やモノが溢れる時代となり窯業を取り巻く環境の変遷とともにまちの様相も変化しています。我々はその変化を受け入れるしかありませんが、我々が変えることもできるのではないかと考えます。活気のあるまちとは、「わくわくするまち」だと考えます。わくわくするまちとは、やはりこのまちに住む人がどんなことにも楽しんでいることです。今までの自分を振り返ってみると、自分自身の中でわくわくするものがあったからこそ行動を起こすことができたものです。「あれをやってみるとどうなんだろう」「こんな工夫をしてみたら面白いんじゃないか」「もっと知りたいから勉強しよう」誰もがこんなことを思ったことがあるはずです。そして、自分が楽しんでいれば周りも明るい空気に包まれ、活気あるまちへとつながります。また、自然に囲まれた瀬戸には「やきもの」が生まれ、「やきもの」があるからこそ生まれた多くの資源もあるはずです。変化の多い世の中だからこそ、瀬戸の様々な資源の可能性を考え活用していかなければなりません。まちが持つ資源を活用し、市民のわくわくの心を育めば必ずやまちに活気が生まれます。更には、まちを楽しむ人々の姿がまちの活気への好循環になると信じております。
■会員拡大
我々は「明るい豊かな社会」の実現を理想に掲げ運動をしています。この運動を絶やさずにこれからも推進していくためには、やはり会員拡大は必要に迫られています。ただ闇雲に拡大活動してもなかなか入会につながらないと思います。メンバー全員で常にアンテナを張り巡らせ、情報を共有し互いの苦手な部分をサポートしながら誠実に拡大活動に取り組んで参りましょう。会員が増えることで、様々な刺激を受け自身の観念に変化が生まれるはずです。また、多くの人と触れ合うことで会員の資質の向上となり人生の財産となります。そしてなにより「明るい豊かな社会」の実現により近づくためにも拡大活動をして参りましょう。
■終わりに
青年会議所は入会したら終わりではありません。入会後に前向きに取り組むことが必要条件です。取り組む中で苦しいこと、つらいこと、面倒くさいこと、色々な場面に遭遇するはずです。知恵を出し合い話し合いを繰り返し、遠回りしてもなんとかやり遂げることで自分の自信となり誇りへとつながり未来の財産となります。そして、これまで当たり前だった活動から、変化を受け入れて進化していかなければならないと思います。それは諸会議のやり方であったり新たな角度からの手法であったり些細なことでも変化があるのだと思います。しかし、我々の根幹は揺らぐものではありません。目指すべきものへのアプローチの違いだけです。
自らが起点となって行動を起こし自身の周りやまち、そして瀬戸青年会議所へ良い空気を流れさせ、全てがつながる好循環を生み出して参りましょう。
人・瀬戸青年会議所・まち
それぞれがつながる好循環へ向けて自らが起点となれ